指導の基本にしているものは3つあります。1つめは日本の介護福祉士制度が医療・保健・看護という流れのなかで位置づけられている介護ではなく、社会福祉にその基盤を置く福祉系職種であることを重視している点。介護技術だけを身につけるだけでは「介護士」「介護技術士」の名称で良いのであって、あくまでも「介護福祉士」であるわけですから、利用者とコミュニケーションをとり、信頼関係を築きながらその人にとって今必要とされる「自立」を考察できるよう、「人間の尊厳と自立」について社会の歴史を通しての学びを大切にしています。2つめは「今」を大切にしている点です。テキストは過去の情報記録であり、この瞬間に生じている社会福祉問題ではありません。このため新聞記事やテレビ報道などから題材を取り上げ、世の中で何か起きているのかを考察しています。3つめは「地域福祉」の視点に着目している点。これからの介護施設は、従来の大規模型ではなく地域密着型の小規模の施設や賃貸住宅に介護サービスを取り入れたケア付き住宅が主流になって行きます。その背景には行政の財政事情のほかに、利用者の視点、すなわち近隣や友人との馴染みの関係を大切にしながら、地域社会に暮らす住民であり続けたいという願いがあります。 |